獣医師輩出のための研究施設、原産種馬研究と普及も
東京大学附属牧場 茨城県笠間市安居3145
東京大学農学部が獣医師教育実践の場として'45年、″笠間焼き″などで知られる自然環境の良い笠間市（旧岩間）に設立しました。正式には「東京大学大学院農学生命科学研究科附属牧場」と長い名前です。
常磐自動車道の岩間ICから程近く、交通便の良い立地にあり総面積は36.5㏊、放牧場12面や厩舎3棟などのほかトレーニング・調教のための角馬場1面を備えています。
全国で唯一の南米原産種「クリオージョ」種馬による生産研究の傍ら、身体障害者乗馬用として普及販売も行っています。
中央競馬開催地に近い立地を生かした育成・休養
KSトレーニングセンター 茨城県牛久市奥原町3496-7
JRAが霞ヶ浦近くに開く「美浦トレーニングセンター」から車で約10分、圏央道の稲敷ICに程近いところです。（有）坂本企画が20世紀末の'99年オープンさせました。
広さ13.6㏊の緑豊かな施設には800mダートコース馬場3面、800m坂路コースのほか厩舎8棟、放牧場14面（サンシャインバドックなど）、トレーニング角馬場2面を備えています。中央競馬開催地に近いことから調教、休養などで利用は多くなっています。
牧場集約で運動量増、中期育成時期（離乳後）に効果
栗山牧場 茨城県稲敷市蒲ケ山1254
栗山道郎牧場・栗山豊牧場・秋葉牧場の3牧場が産駒の生産〜育成までの経営安定化を図るため、営農グループ牧場「稲敷生産・育成施設利用組合」を結成し発足させました。
グループが取り組んでいるのは「軽種馬生産構造改革事業」で、国際化した「強い馬づくり」が目標です。具体的には構成組合員の牧場を共同の放牧地（約5.81㏊）として1箇所に集約することで従来、個別に行っていた中期育成飼養（離乳後）管理が集中させることで分業化を図り、土地や労力の有効活用と経費節減につなげること。
また、いちばん世話の掛かる中期育成の時期を共同運営することで飼養管理が統一され産駒資質の向上になり、集約によって繁殖牝馬及び育成馬の1頭当たりの放牧面積（牧草地など）が拡大されるため牧棚の整備によって夜間放牧なども可能。こうした運動量の増加は「強い馬づくり」へつながります。
事業は稲敷市軽種馬経営構造改革推進委員会の指導や助言を受けながら推進されていますが、労力やコスト削減などの面でかなりの効果を出して改善につながっています。
ゲート訓練は１週間でクリアの特訓も
西山牧場阿見分場 茨城県稲敷郡阿見町大字飯倉561-2
'93年に設立されました。圏央道阿見東ICから程近い牧場は、霞ヶ浦の水郷風土や筑波山が生み出す寒暖が厳しく、季節変化に富み、そうした環境のなかで競走馬の育成、調教が行なわれています。
牧場面積は85.2㏊あり、放牧場２面・800mダートコース・600mウッドチップコース・ウォーターウォーキングマシン、発馬用ゲートなどの施設が整備されています。
経験豊富な人材をスタッフに有し、三浦トレセンの獣医師や装蹄師も出入りしてサラブレッド若駒の育成を行なっており、ゲート訓練では入厩後約１週間で難しいゲート試験をクリアさせる技術も有しています。
